サルバドール・ダリ(1904-1989)
好きなんですよね。
型破りで、
人と違うことをよしとし、
自分を奇人と見られることを厭わず、
むしろそう表現し続けて、
でもこのヒゲを通してでも伝わってくるのは、
とても繊細で真面目で、
品の良さを隠せない、
優しい常識人。
ダリには、
小さい時に亡くなってしまった兄がいて、
ご両親は、
そのお兄さんと同じ名前の、
サルバドールを、
ダリにつけたのですよね。
愛情深いご両親ですが、
ダリからしたら、
会ったことのない、
もうこの世に居ない、
でも確かに存在して両親に愛されていた、
そんな幻の兄の身代わりなのかと、
ずっと自分の存在に対して、
複雑な思いを抱え続けていたのですね。
だから、
私は私だ!!
っていう心の叫びが、
すべての作品の根底にある。
こんな風に世界を見ているんだ。
こんな風に世界を創造しているんだ。
こんな風に、
誰にも真似できない、
他の誰でもないやり方で…
かけがえのない自分を愛してくれる、
奥様ガラを、
生涯大切に愛し、
独自のアバンギャルドな視点で、
と思われるけれど、
作品に込められた思いは、
極めて常識的で、
平和的なメッセージで。
今だって同じですよね。
「自分が感じるように感じてはいけない」
というメッセージを受けて、
そうしてきている人はどれくらいいますか?
ありのままではなく、
なにかではないと存在してはいけない。
ダリほどではなくとも、
家庭ではこう、
〇〇と一緒の時はこう、
会社ではこう、
親の前で、
休日さえも、
どうあればよいかわからず、
本当に好きなことや、
やりたいことにエネルギーを使えない…
なんて…
自分が感じていることは、
よい悪いの前に、
まずそれが、自分。
それを感じるって、
怖いですか?
私は怖かったです。
感じたら、
続けられなくなるから。
無理してること。
息子を守るためとか、
お金を稼ぐため、
とか、
本当は愛されていなかったんだ、
とか、
愛されていたんだ、
とか。
でも、
自分に絶望する体力や精神力がつき、
思考や自己否定、
自己ジャッジの癖も、
バーズのおかげで、
すぐにそこから
離れられるので、
少なくとも、
あ、またジャッジしてる
あ、これは自分の感じていることではなく、
他人の考えだ、
と区別出来るようになったから、
ちゃんと感じることが出来てます。
私は私。
私を生きなきゃ。
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