2012年6月27日水曜日

思春期のヨガ 2

お陰さまで、息子との毎朝のヨガはかれこれ一ヶ月になります。
( 過去記事:思春期のヨガ http://pranicyoga.blogspot.jp/2012/05/blog-post_29.html )

これを始めてから彼は一回も腰の痛みで踞る事がなくなりました。
気圧の変化で痛みが増す梅雨時期が不安だなと思っていたけれど、改めてヨガってすごいなと実感しています。

思春期に男の子は一年に10cm以上背が伸びたり、急激に足が大きくなったりするので、一時的に体をうまく使いこなせなくなったり、体幹や足底の筋力が追いつかなくて、膝や腰に負担をかけてしまうものなのだそう。

椎骨の横突起の間をつなぐ靭帯は、長時間の前屈を維持出来る程強くはありません。
背中を丸くした姿勢が続くと、誰でも慢性的な腰痛になってしまいます。
授業中はずっと背中を丸くして、放課後は部活動でいきなり激しく体を動かすという毎日では、ある意味痛くなって当たり前だったのかもしれません。
それでも殆どの子がそういう症状にならないのは、まだ体が固まっていなく柔軟性があるからでしょう。
でも、意識して動かさなければ、大人になるに連れ、柔軟性はどんどん失われていくもの。

また、運動部ではとにかく筋肉をつけるとか、体力をつけるとか、マッチョな方向で体を扱う事も多く、体幹が出来ていないのに外側に筋肉を乗せて、余計負荷が増えるという指導方法が多いですね。
ヨガはストレッチではないけれど、体がどう構成されていて、骨盤を立てる為にはどんな筋が作用して、肩や股関節はこういうふうに使って、というような智慧がたくさん含まれています。ほんの少し力の入れ方を変えたり、姿勢を崩したりするだけで、同じアサナが全然別のものになってしまうという経験は皆さんお持ちだと思います。
逆に正しく行う事で、同じ事が劇的に楽になったり、痛みを伴わなかったりということもあると思います。

男性がヨガをするという事に対して、まだまだその良さが理解されていないなと感じるのですが、ヨガでは確実に筋力、柔軟性、スピード力、安定感、が増します。
足ひとつにしても、きちんと関節を安定させて使うよう癖付けていきます。

 女の子にとっても生理が始まったりして、体のシステム自体が大きく変わり、ホルモンの影響で心身ともに不安定になる時期です。見た目を気にしてダイエットしたり、ケミカルな化粧品等に手を出したりする時期です。
健康に過ごして行く為には、知らないといけないことがたくさんあるのに、授業では殆ど学べません。
第二次性徴期であり、細胞分裂も活発に行われる時期だからこそ、体形や体質もこの時期に大体決まってしまうから、とても大事なのに。

学校の先生が少しでもヨガを知っていたらなと思うのですが、増えて来たとはいえ、日本ではまだまだきちんとした知識や経験に基づいたヨガの先生が少ないので、学校で取り入れられる程受け入れられてはいないのでしょう。
(子供に人気があるからとはいえ、Hip Hopダンスが何故授業に?)


また、ヨガでは、ヤマ、ニヤマという道徳的な指針があります。

「ヤマ =禁戒」
アヒムサ:非暴力、不殺生。生きとし生けるものへの思いやりを含む観念です。
他者のみならず自分にも同じで、自らの体をいたわらない事は、この教えに
反します。
サティヤ:正直。真実に忠実であることです。生き方にも矛盾がないよう自分の信条
を大切にする事も含まれます。
アステーヤ:不盗。他人の物を盗まない、のはもちろんですが、アイディア、言葉など
についても同じです。また、他人の物をうらやむ心を一切持たないという
意味も含まれています。
ブラフマチャリヤ:梵行。性的な道徳という捉え方でよいのではないでしょうか。
僧侶のように性行為を一切行わないという意味でも使われますが、
私は逆に正しく理解する事もブラフマチャリヤだと思っています。
アパグリハ:不貪。貪る心を持たないということです。
欲望や願望とは区別して、必要なものを必要な分だけ手にし、
「もっともっと」と 思うところから離れる事です。

「ニヤマ=勧戒」
シャウチャ:清浄。体や周囲の環境、思考などが清らかである事、そうあるよう保つ事。
サントーシャ:知足。満足する心。今自分が持っているものの価値を認め、
自分が持っていない物に対しても過度に執着しないという教えです。
ただ、「今のままでいいや」という、現状を変えたくない言い訳に
使わないというところが大切です。
タパス:苦行。もともと「焼く」という意味です。情熱とか炎のような決心や熱意という
意味でもあり、不浄なものを取り払うという意味も含まれます。
スワディヤーヤ:読誦。本を読んだり、文献を紐解いてみたり、
自身で学びを深めて行く事です。知識を学び続ける姿勢とも言います。
イシュワラプラニダーナ:自在神祈念。宗教や教義という意味合いではなく、
神に対して心を開く事です。神という言葉は「愛」としても、
「宇宙の法則」「自然」「見えない力」とか「自己の真性」
とか、違和感の無い言葉に変えても良いと思います。

こうようなことも、私は確か13歳くらいで知ったように覚えています。
世間一般の価値観での「幸せな家庭」で育っている子ばかりではない昨今、もっとその子自身が自分に対して知ろうとしたり、自信を持ったりする指針になると思います。

今の子供達が大人になる頃、エネルギー問題や環境問題がどうなっているのか、今より良くなっているのか悪くなっているのかわかりませんが、確実にみんなが考えないと生きて行けない世の中になっているはずです。
ビジネスも、利益を追求して多くの人から搾取したり、負担をかけるようなやり方は成り立たないでしょう。ヨガ的思考って、世間に揉まれて疑問を感じてから行き着くより、最初から持っていた方が絶対にいいですよね。

思春期の子供にヨガを教える事って、すごく未来のためになると思いませんか?

OM

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