2012年7月2日月曜日

Guru Purnima

今度の満月(7月4日 03:42) は、グルプールニマーです。
Purnimaは満月という意味、グルに感謝の祈りを捧げる満月です。


 「グル」という言葉、真面目に考えれば考える程、私には少し馴染まないというか、たぶんそういうすべてを捧げるという師弟関係が今はないからだと思います。
そういう師弟関係がないのは、私が「人間は完璧にはなれないし、人間が考えたもので完璧な存在はない。だからバランスをとるためにいろいろ学ぶ、たぶんそれが人生。」というスタンスでいるからかもしれません。
人を簡単に「グル」だと思ってはいけないと思っています。
「捧げる」という行為は「依存」と紙一重、師に対する家族のような深い信頼と「自分」の境目は、今 家住期(インドでは人生を大きく4つにわけて、学ぶことに専念する学業期、家族や仕事を持ち子供を育てる家住期、子育てが一段落した後、じっくり瞑想にふける林棲期、そしてすべてのものから離れ、この世への執着を捨てて放浪に入る遊行期です)にいる私には必要です。
 若くして息子を持ったので、学業期と家住期がいつも平行していたような私ですが、最近本当に改めて大切だなと感じています。

ただ、この地球上に、本当に人間の粋を越えたグルと呼ぶにふさわしい方が大勢いらっしゃることには変わりありません。出来ればいつか出会ってご縁を頂けたらなと思います。

もともとこのグルプールニマーの「グル」は、ヴェーダを編纂したと言われる聖仙ヴィヤーサのことで、霊的な教えをこの世にもたらした偉大な聖者に感謝を捧げる日です。
この教えは人間が作ったオリジナルではなく、インド的に言えば、神々の世界から降りて来たものです。
私達はそういうものを学んでいるわけで、だからこそその源に思いを馳せ、感謝をすることが必要なのでしょう。
人間はなかなかオリジナルにはなれないものです。
親や先祖から受け継いだもの、教わった事、周囲の環境、思春期に影響を受けたもの、出会った人 、毎日流れるニュースや、その日の会話、見て来たもの学んで来た事、などいろんなものが混ざり合ってそれが「自分」だと思っています。
ヨガでも、最初に出会ったもの影響はとても大きいと思います。
いろんな先生に習っても、その後ご縁が続かなかったとしても、やはり最初に出会ったヨガから大きく影響をうけているはずです。私もそう。
 何に出会うかも、出会えるのかもカルマです。
だから手を合わせて全部受け取り感謝します。

アレが正しい、ソレは間違っているという思考は過去何千年もの間多くの修行者が陥り、宗教や戦争を生み出し、結果善いものがまっすぐ伝わらず、パーツパーツに細切れになり、まったく違うものに変えられたりして歴史にも多大な影響を与えて来ました。
一生懸命何かを目指そうとすればするほど陥りやすい魔境は、どこにでも存在しているものです。
今までのそういう自分を含めた歴史から変わっていくために、智慧の源である存在に対して、感謝を捧げたいと思います。
私達の世界にこの先も多種多様な命が栄え、お互いを思いやって尊重しあう心で満たされますように。
OM





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