2012年7月14日土曜日

バガヴァッドギータ

何年も何年も前、その頃の私の先生だったヒマラヤでずっとサドゥとして暮らして来た師に、「バガヴァッドギーターで、どうして自分の親類と戦う事をためらうアルジュナに、クリシュナ神は、戦え、と諭すのか、どうしてもわからない」
と、すごく元も子もない事を訊いた事があります。
「己の成すべき事を成せ」というカルマヨーガの教えだけれど、私は若くて、平和とかシャンティとかを、どこか作り物のお話みたいにみんなニコニコハッピー、って風に思っていました。息子もまだ小さかったし戦いなんてとんでもないって感じで。
そして、そんなことはあり得ないと、心の何処かで「平和」や「静寂」を信じていなかったように思います。
何かに怒ったりすることってものすごいパワーを秘めていて、「平和」を感じてニコニコ腑抜けになるのは嫌だなと、いろんな自分の内面の事に抵抗していたのかもしれません。

怒られるかと思いましたが、
その先生は、「すべての現象は自分の中で起こっている」 
のだと答えてくれました。だから、自分の中を見と。
私は何と答えたか覚えていないけど、咄嗟にそれを理解したような事を言ったか何かですごく褒めて貰いました。

でもそれから何年も考えて、最近になってまたよくその事を考えます。

今世の中で起こっている事って…
私はこう思います。
自分の中で何かをひっくり返す戦いを持つこと、そして自分自身との付き合い方や、今までの思考パターンや自分に対しても、自分以外の事に対しても選択肢を少し改めてみること。
結果を求めずただ自分が成すべき行為を成す。
これは元々Facebookのアカウントに投稿した文章なのですが、タイミング良くこんなブログを書いて下さった方がいます。バガヴァッドギーターについてもとても素晴らしく解説されていますね。
修行が足りず上手い言葉にならないのだけど、カルマヨーガは今とても大事だと思います。
それはボランティアとか無私の奉仕、そんな風に説かれる事が多いと思いますが、例えば遠くにいる不特定の誰かのために一生懸命ボランティアをし、その人は個人的にも喜びや自分が満たされる感覚を味わえるとします。
誰かの為に自分が役に立っていると思える事は、愛と同じで自分をすごく豊かな気持ちにしてくれます。
でも身近な家族の気持ちがよくわからなくなっていたりいたらそれは何か順番が違うと思うし、逆に身近な事を狭い視点でしか見ていなくて、今世の中で起こっている大きな流れ(すべての人が当事者です)が見えていなかったりしても同じ事で、結局は内側と外側の世界は同じなのだと、より良い世界で生きたいなら、まず自分の中や身近な事を変えて行かないと、という事でしょうか。
 ひとりひとりにとって、世界にとって、自分の中を変える事程有効な事は他にないでしょう。誰かに変えて貰うのではなく、自分で気付いて変えて行くのです。
ヨーガって結局そういうことなのですよね。
そしてヨガをしていなくても、その事に気付いて実践している人は、ジャンルに囚われずとてもいい活動をされているなと昨今思います。
私ももっとそうしていけたらなと思います。

バガヴァッドギーターのような智慧の詰まった文献を読み、熟考する事は ジナーナヨーガと呼ばれます。ハタヨーガ、カルマヨーガ、バクティヨーガ、ラージャヨーガと並び大切な道の一つです。
ヨガはとても時間がかかるものだから、いろんな側面から昇って行きたいですね。

Shanti

0 件のコメント:

コメントを投稿