2012年3月12日月曜日

***************

季節が変わったら
あの丘へと続く道
優しい風が吹いて
君の声に似ているな

ああ 僕の中で鳴り止まない君の歌を
遠いどこかで君も一緒に歌っていてくれればいいな

可愛い雨粒の落ちるメロディが静かに
淡いひかりがさして
青空が覗いたら

ああ 君のいないこの世界で道に迷ったその時に
何故かいつも君を感じる
傍に居れば

悲しみに暮れたその時
僕の背中を優しく包む
木漏れ日の中に君の笑顔がある
そんな気がする

作詞作曲:Takashi Hatakeyama

この美しい歌詞は「由比」というあるストーリーがあって生まれた歌の一部です。

NYで恋に落ち、やがて結婚したチリ出身のミゲルと鎌倉育ちの由比さん。
美しいカップル。
ある日幸せだった二人を由比さんの病気という試練が襲い、二人は治療のため日本へ。
しかし由比さんは亡くなってしまいます。
そのお葬式がちょうど3月11日のあの日でした。

ミゲルとは一緒に石巻へ行ったりしました。
いつも誰よりも笑顔を絶やさない人です。
この歌は鎌倉の由比ケ浜の前にあるお店に集う仲間が作り、演奏しているものです。
この先の歌詞も全部は書きませんが、とても心を揺さぶられる美しくはかない気持ちのこもった言葉達です。
3月10日に長谷寺で行われた万灯法会。
昼からお手伝いをさせて頂いていました。
訪れて下さった皆さんの祈りが書かれた、ひとつひとつは小さな明かり。
集まるとあたたかく、揺らめく炎がまるで生きているようでした。
長谷寺は海からの風が吹いてくるので、ひとたび風が吹くとこの炎はまるでドミノ倒しのようにさーーっと一瞬で消えてしまいます。
それを何度も点け直し、並べての繰り返し。

このお手伝い自体はとても楽しく、お寺の方々や集まった友人知人、鎌倉の仲間達、また県外からもボランティアに来て下さった多くの方々と特別な時間を過ごさせて頂きました。
まったく、チャッカマンを何百回クリックしたことか。
被災地の方のお話で、「亡くなった家族や友人、大切な人を思って過ごす時間が長い。悲しいという気持ちは全然減らない。復興という言葉や絆という言葉、がんばろうという励ましに疲れてしまう。自分の中で時間が止まったまま置いて行かれる気がする」という本音、胸に染みました。ある日突然かけがえのないものを失って、整理なんてつかないと思うのです。それはそれでずっと残り、そしていつまでも思っていたい大切なものなのです。
それでも進む。それしかないから。

万灯法会では、宗派を越えて鎌倉の僧侶達が合同で鎮魂の祈りを捧げました。
始まると何故か風が止み、ちいさな灯火が消える事はありませんでした。
音のバイブレーションは力強く、素晴らしい時間に参加出来た事に心から感動しました。

私は本当に何も出来ないけれど、ただ静かに思う、それだけですけれど、
ただシンプルに悲しみを味わう事が一番の癒しになることを知っています。

いつかすべての傷が癒え、新しい日々に気持ちが追いつくときがやってくるよう、
心からお祈りします。
人の強さは弱さと対になっているからこそ、よりいっそう清々しく輝くのだと思うのです。
そんな深さを感じた時、人はまたそこから勇気を貰うのだと思うのです。
被災地の方々に勇気づけられているのは、私達の方かもしれません。
OM Shanti

0 件のコメント:

コメントを投稿