2013年1月16日水曜日

出て行く夢、入って来る夢

ずいぶん遅い話題ですけれど、みなさんの初夢はどんなものでしたでしょうか?

私は、病院、眺めの良い広い窓、売店、エスニック細工でコバルトブルーのかばんの留め具、青空、穏やかな心境、というような断片的印象が残っています。
夢診断とかいろいろあるみたいですけれど、私は夢を分析することにはあまり興味がなくて、どちらかというとそれが出て行く夢か、入って来る夢なのかだけを気にしています。

夢は通常の脳の状態で観るわけではないですから、夢の中のストーリーは奇想天外な事も多く起こります。
深い睡眠のとき、漠然としたしばしば感情的でナンセンスな夢を見、すぐに忘れてしまいます。その時の脳はあまり活動的ではありませんが、記憶を蓄える為に静かに情報処理を行っているそうです。
一方浅い睡眠と言われるレム睡眠中にはとても活動的になり、鮮明で強烈な物語生のある仮想現実としての夢を見ます。
感覚を処理する脳部位は、レム睡眠中に非常に活性化するのですが、経験を注意深く分析する領域(前頭葉)は実質的に活動停止状態なので、夢の中でありえない出来事が起きても、気にせず受け入れてしまうのだそうです。

ということは、深い睡眠中に見る夢は、感情のデトックスと言えるかもしれません。
起きている間に経験し、しまわれた感情的な事が解放されているということ。
良い感情は表現しやすいですが、マイナス感情となると、上手く表に出さず閉じ込めてしまうことが多いですから、夢で解放しているのですね。
人間は自然により良い方向へ進むように出来ており、例えば押し入れの奥にしまってあった不要品や見たくない物も、いつかは処分する為に一度は自分の手で取り出して目の前を通過させなければ捨てる事が出来ません。
だから悪夢のようなことは、癒されるべき感情が自然に処理されるためのプロセスなのだと捉えた方がいいでしょう。
心に溜まった不安や悩みを大掃除する過程で、自然と脳裏を通り過ぎて行くものです。
これが出て行く夢。

レム睡眠中は、理性を司る前頭葉が活動していない状態ですから、起床時の、「過去の記憶を元に一連の行動を決定する」というシステムが作動していません。
ちなみに深い瞑想状態にあるときや、意識が変容状態にあるときにも活動の低下がみられるそうです。 (逆に瞑想に入る時、ダーラナ「集中」を目的とした瞑想のときは活性化するとのデータがあります)
理性的なストッパーが働いていない状態なので、自分の発想のままにストーリーが進んで行きます。 思ったらすぐに(夢の中での)現実となって現れるのです。
ですからそこで見る夢では自由に空を飛べたり、突然場所を瞬間移動したり、日常では関わっていない登場人物が現れたり、色や音や空間イメージが鮮やかで、いわゆる「夢のよう」な世界が広がっています。
楽しい夢もそうでない夢もあると思いますが、これが入って来る夢。
そこからインスピレーションを得る事が出来ます。

ヨガでもそうですが、過去の記憶や身につけている倫理観、自己および他者への判断などが、私達の自然な可能性の妨げになっていることは多く、それを取り除いて行く事で、本来の宇宙的な自然に良い方向に進んで行く流れに乗りやすくなります。

 大雪が降る前日、こんな雲が空一面に広がっていました。
その前日は富士山の上の笠雲、これは雨や雪の前兆だとされています。

現実に起こる事は、すべて自分の内面が創り出している事。
だから、何が起こるか、予兆は自分の中に現れて当然です。
自分の心の予兆というか、思考や発想の方向性がわかるというか。

「雪」の語源はいろいろあるそうですが、
 1. 潔斎の意、斎潔(ゆきよし) ユは斎、キはキヨキ(潔白)の意[大言海] 
※斎...神聖な、清浄な、忌み清めた、などの意味を現わす
2. ユキヨ(斎清)の義[名言通・和栞葉]
3. やすくきえるところから
4. 空寒く凍てて凝り雪となることから[名語記]
5. ユルヤカヒ(緩氷)の義
6. ユラユラと来て清いものであるところから[本朝辞源]
7. ヒユケ(冷気)の義[言元梯] (日本国語大辞典より)


真っ白に覆われた非日常的な世界、普段目に触れる不浄な物が覆い隠され、また生き物でも寒さを乗り越える強さのないものは積もった雪で淘汰されていきます。

夢も自分の意識を眠りにつくたびにまっさらにしてくれるものなのかもしれません。
また、瞑想の経験がない人も同じように起こる心の浄化作用や自分に気付かせてくれる啓示ですね。切り離されたものでなく、上手く現実とリンクさせていきたいですね。

みなさんにいい夢が訪れますように!!

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